ウチナー芝居の稽古~うちなーぐち使用に共感~

下記の記事が2016年5月20日 琉球新報論壇に掲載されました。

うちなーぐち・しまくとぅばの継承普及活動に関わって久しくなるが、最近はっとさせられることがあった。それは沖縄俳優協会の関係者からの情報だった。ウチナー芝居のけい古は従来台本をほとんど日本語で演技指導していたが、これからウチナーグチでやろうという提案があるというのである。思いもしなかったことだ。役者は芝居のけい古でセリフ以外は日本語で指導を受けている。当たり前のようではあるが考えてみれば何か変だ。もちろんベテランの年配役者はウチナーグチで指導する人もいる。しかしこれまでいくつかうちなー芝居を企画制作し劇団ともお付き合いしているが、ほとんどヤマトウぐちで指導している。私たちウチナーンチュは自分たちの言葉を持ち、その言葉で芝居(文化)を創造してきた。組踊のように世界遺産にまでなった沖縄の芸能。それを誇りに思っている。なのに作品を舞台で表現するのには別の言葉で指導する。何か可笑しい。そこで思い出したことがある。数年前「ウチナーグチを話せなくても歌三線は弾ける、踊りも踊れるさ」というつぶやきを聞いたのだ。現状はまさにその通りで、今県をあげてしまくとぅばの話者を増やそうとしていることが空しく思え無力感を覚えてることもあったが、「これからは、芝居の演技指導もうちなーぐちで」と提案した俳優の提案は全く同感でエールを送りたい。
 2006年(平成18年)議員提案で「しまくとぅばの日」が制定されてから、今年は10年の節目になる。副知事の浦崎唯昭さんら県議会が南米視察の折、移住者が見事なウチナーグチを駆使していることに「自分たちは!」と心を痛め、帰沖後「しまくとぅば条例」を提案、成立となったと聞いている。今年10月には、5年に一度の世界のウチナーンチュ大会が開催される。海外に雄飛したウチナーンチュの子孫(くゎんまが)が故郷に帰ってくる。久しぶり会った同胞に「ちゃー 頑丈(がんじゆう)やみしぇーみ?」と挨拶されて「はい、元気です。貴方も元気でなによりです」なんて言っては「アキサミヨー うちなーや ぬーなとーがやー!」「ウチナーグチマディン ムル ヤマトウグチニ サッタルバスイ」という声が聞こえてきそうです。世界ウチナーンチュ大会では、海外のウチナーンチュとウチナーグチ・しまくとぅばでゆんたくする場を設けて思い残すことなくそれぞれの国へ返したいものですね。今年のしまくとぅばの日には弁ぬ御岳で「まぶいぐみ・魂込め」をしたい。ウートートウ アートートウ