しまくとぅば普及団体が意見交換

しまくとぅば普及の基本理念は母語の復興

しまくとぅば連絡協議会では今月2日、市町村文化協会のしまくとぅば部会やうちなーぐち部会、それに民間の普及団体に呼びかけて意見交換会を開催した。目的は、しまくとぅばに対する県民意識がこれまでにない高まりを見せている中で逆に話者が近年著しく減少しているのは何故か、普及推進の課題を探るためである。
参加したのは、那覇市、南風原町などの市町村文化協会、NPOの沖縄県うちなぁぐち会、沖縄語普及協議会、保育園など13団体。各団体は普及講座やしまくとぅば大会など活動の実施状況を報告するとともに行政にたいする要望事項など熱心に意見交換をした。
普及活動の課題として上がったのは、以前から指摘されていることではあるが言葉の継承は保育園や小学校低学年などが重要だ、しかし現況はクラブ活動で部分的に実施している学校はあっても継続性がなくカリキュラムにないこと、教師がしまくとぅばを分からず教えられない、総合学習に取り入れてほしい、現行の制度で可能な教育特例校制度の活用、保育士の採用試験でしまくとぅばを必修になどの意見が出された。またボランティア同然で活動しているのに県の補助事業で自己負担がある、無くして欲しいとの意見があった。
一方、最近民間企業の中には道路工事の立て看板に「わじゃそーいびーん。よーんなーあっかしみそーり」などと注意事項にしまくとぅばを使用する例が見受けられるが、連絡協議会が企業に対し社内会議でもしまくとぅば使用するよう要請したところ、議事録が取れないので難しい状況だとの報告があった。
しまくとぅばの日が制定されて10年余が経過して県は去年普及推進計画を策定、話者の拡大をめざしている。今年9月には県文化協会内に「しまくとぅば普及センター」を設置しテレビでCMを流すなどこれまでにない施策を展開している。今後に期待したい。

意見交換会で、しまくとぅばの普及がなかなか進まず逆に減少している主な要因として上がったのは、言語復興の基本理念が県民に共有されていないからではないかとの指摘だ。若い世代にとっては母語は日本語であり、しまくとぅばはもはや母語では無くなっている。普及推進という以上に母語の復興という認識が必要ではないかということである。言語は文化、アイデンティーティーの根元(にーむとぅ)である。しまくとぅばが消えるということは、うちなーんちゅでなくなるということ(大城立裕氏)。肝に銘じたい。
しまくとぅば普及団体が一堂に会し普及の課題について話し合うのは今回が初めてで連絡協議会では今後とも機会をつくり、行政とタイアップしながらしまくとぅばの復興・普及推進に力を入れたいと確認した。

上記の13日の沖縄タイムス論壇に掲載されました。 2017年12月15日