琉球新報 読み比べ聞き比べ

しまくとぅばニュース 5月から紙面を一新

琉球新報のしまくとぅばニュースが5月8日の紙面から一新された。従来、ニュース原稿を毎月数回、一地域の言葉で紹介していたのを、1ぺージの紙面に琉球諸語6圏域の言葉を話者の写真入りで同時掲載、しかも音声収録をホームページ上で紹介している。タイトルは「しまくとぅば読み比べ 聞き比べ」。文字だけでなく肉声での情報は話者の人柄や各地域の映像もイメージされ、新聞を購読する楽しみが倍加する。ネット時代ならではの企画である。
 今回の企画を聞いてわが意を得たりと思った。実は那覇市文化協会では、「しまくとぅばの日」企画として那覇市の補助事業として’12年(平成24年)に奄美、沖縄中南部、国頭、宮古、八重山、与那国の琉球諸語6圏域の言葉による弁論大会「島々ぬくとぅば語やびら大会」を開催した。会場の琉球新報ホールは満席。地域代表の中には島唄を交えて発表する人もおり、聴衆の中には郷愁を誘われて涙する人もいた。肉声の情報伝達力である。言葉は魂であり文化遺伝子、アイデンティティーの基であるということを実感した次第である。この大会はその後、那覇市の受託事業として去年まで続いた。
 今年は「しまくとぅばの日」が制定され10年の節目に当たる。話者が県民の1/3まで減少しユネスコが指摘するように、まさに消滅の危機にさらされている。県はしまくとぅば普及促進計画を策定し、4年目になる。県政の重点施策として今年4月、知事部局に空手振興課が設置されたが、次は「しまくとぅば振興課」の設置を期待したい。 
 この原稿は琉球新報5月16日のオピニオン欄ティータイムに掲載されました。 写真は2015年9月12日パレット市民劇場で開催された「島々ぬくとぅば 語やびら大会」