しまくとぅばの復権で討議

しまくとぅば連絡協議会は9月18日しまくとぅばの日に、嘉手納町中央公民館でパネルディスカッションを行った。那覇市文化協会が共催。

パネリストは連絡協議会、那覇市文化協会うちなーぐち部会、NPO沖縄語普及協議会、南城市東方しまくとぅば会、企業代表(連絡協議会会長)。

池原会長はしまくとぅばが消滅の危機にあるのは、日常的に需要がなく使われなくなたからだ。表記法やこれまでの普及の在り方の再検証が必要と指摘。那覇市文化協会うちなーぐち部会の名嘉山(私)は言語は文化遺伝子、しまくとぅばが消えることは沖縄文化も希薄になる。アイデンティティも変化し、ウチナンチュでなくなると。しまくとぅば連絡協議会副会長の安良城米子さんは、ハワイとウェールズの言語復興の事例を紹介し、学校教育に導入すべきだと提言。また沖縄語普及協議の當眞嗣伎会長はうちなーぐちの味わい深い、ウチナーンチュの暮らしの中にいきていると述べた。南城市東方しまくとぅば会の久手堅会長は、祖父母運動で普段から子や孫にしまくとぅばを使うべきだと述べた。

琉球新報文化欄に掲載された記事を掲載します。

しまくとぅばの復権でパネルディスカッション
文化の日 ネットで動画配信
消滅の危機にある「しまくとぅば」の普及継承を目的に2006年「しまくとぅば日」が制定されてから13年。県は普及推進計画を策定し、普及センターも設置した。しかし県民意識調査によると、しまくとぅばの話者は増えるどころか計画策定時の35%から5ポイント余も落ち込んでいる。このままでは10年をまたずして消滅すのではないかと危惧される。
県が重点施策に掲げて多額の予算をつぎ込んでいるのに、予想外に効果があがらないのは何故か?その原因は自分たち(民族)の言語を使用するのは権利(96年世界言語権宣言)だという基本認識が薄いからではないか。
私たちは琉球王国時代から琉球語で世界に誇る文化を築いてきた。しかし1879年琉球処分で日本国の一県になってから皇民化同化政策によって琉球語は抑圧され続け、自分たちの風俗習慣や言葉を使うことは卑しいもの、恥ずかしいと洗脳されてきた。若い世代にとっては今や琉球語は母語でなくなり日本語が母語になっている。言語は民族のアイデンティティーの基層・魂であり文化遺伝子であると言われる。ウチナーンチュの魂は何処へ行こうとしているのだろうか。
このような問題意識から、しまくとぅば連絡協議会では9月18日のしまくとぅばの日に嘉手納町ロータリープラザホールで「しまくとぅばの復権」と題してパネルディスカッションを開催する。この企画は広く県民参加を求めて大きな会場を予定していたが新型コロナウィルスによる感染拡大を避けるため、パネリストだけでディスカッションを行いネットで動画配信することに変更した。
パネリストは、しまくとぅば連絡協議会、NPO沖縄県沖縄語普及協議会、那覇市文化協会うちなーぐち部会、南城市文化協会東方しまくとぅば会それに企業代表が登壇し、普及活動の現況報告や普及の課題について意見交換する。特にしまくとぅば連絡協議会はハワイやヨーロッパに於ける言語復興について報告する。注目すべきはこれらの国では民族の言語が第二言語、公用語になっている、ということだ。ハワイでは40年前、消滅寸前になっていたが自分たちの言語文化を見直そうというハワイアンルネサンス運動が起こり今では、公教育をハワイ語で行っているという。去年、しまくとぅば普及団体との懇談会で玉城デニー知事は、しまくとぅばを公教育への導入や第二言語化に理解を示した。民族の言語を守るため命を賭したバングラデシュ(東パキスタン)の抵抗がユネスコの世界母語デー制定につながった歴史を思い起こしたい。過去に目を閉ざすものは現在にも盲目になる。
動画配信は11月3日文化の日、奇しくもこの日は旧暦9月18日。
https://www.fmnirai.com    2020年9月14日
しまくとぅば連絡協議会
副会長 名嘉山秀信 南風原町