しまくとぅば 5歳児の魂

  世界のウチナーンチュとしまくとぅばで話したい。浦崎直生くん(那覇市) 

消滅の危機言語に一条の灯

9月18日は「しまくとぅばの日」。県文化協会のしまくとぅば大会が西原町のさわふじホールで開かれた。これに先立つ南部地区大会が8月18日、南風原中央公民館で開催。県大会に代表を送る予選である。

那覇市文化協会は予選大会に2名を送り出したが、残念ながら予選落ちした。しかし、予選落ちした5歳児の「しまくとぅばに対する思い」は是非、県民に知ってほしいと、琉球新報のティータイムに投稿し採用された。9月15日に掲載された。以下の原稿。

しまくとぅば5歳児の魂

⒐月15日に西原町で開催される県文化協会の「しまくとぅば語やびら大会」に向けて今月18日南風原町中央公民館でこの南部地区大会があった。最年少の5歳児から86歳の高齢者まで⒕名が参加し、民話や黄金言葉、舞踊、それに日頃の普及活動など多彩な内容を見事なしまくとぅばで発表した。出場者のうち大人は言葉が話せる世代だったので当然なことだが、子供の出場者がテーマの選択やしまくとぅばの話し方について大人に引けを取らず見事で感心させられた。発表原稿の中で注目されたのは子どもたちが沖縄の歴史を学び、言葉や文化を継承することがウチナーンチュの思い、肝心(ちむぐくる)、アイデンティティーを守ることに繋がるつながるんだというとをDNAとして受け継いでいると感じた。
中でも 最年少の5歳児は去年、那覇市のしまくとぅば講座を受講しパレット市民劇場で行われた成果公演に出場し、たどたどしいながらもしまくとぅばで発表した経験がある。その情報を聞いていたので今回の地区大会では那覇市文化協会の推薦で出場してもらった。出場交渉の時、なぜしまくとぅばを勉強したいと思ったのか聞いてみた。その答えがふるっている。その五歳児は日頃ラジオの民謡番組を母親といっしょに聞いているそうだが、ある時母親に「しまくとぅばを勉強して世界の人(ウチナーンチュ)と話をしたい」と言ったというのだ。そのエピソードを聞いて私はユネスコから「消滅の危機言語」と指摘されている「しまくとぅばの普及継承」が風前の灯ではなく必ず継承していけると一条の灯を見出した。その子彼は今回の発表原稿でも「わんや うちなーぐちん れんしゅうし うびてぃ ・・・あんし、せかいぬ んなとぅ うちなーぐちさーに ゆんたくひんたく しーぶさいびーん」と結んだ。
県の調査によると、しまくとぅばを聞いて話せる人、日本語と同じくらい話せる人は県民の30%を切っている。いまや若い世代にとっては母語は沖縄語ではなく日本語になっている。言語は文化遺伝子であると言われる。この五歳児のような思いがあればしまくとぅばの継承、沖縄の文化継承は決して悲観することはないと思った。5歳児の魂に敬服。

那覇市文化協会うちなーぐち部会
事務局長 名嘉山秀信(72)