「しまくとぅば」と「うちなーぐち」

9月18日は「しまくとぅばの日」です。条例制定11年が経過して尚、その趣旨は実現せず話者は調査の度毎に急激に減少しています。恒例行事として「しまくとぅば語やびら大会」が今年は9月18日にあります。23回を数えます。那覇市文化協会は諸般の事情で今年は代表を送れませんでしたが、新報の論壇で関連参加したいと思います。「しまくとぅば」と「うちなーぐち」は違うんではないかと問題提起がありますので琉球新報の投稿した論壇を掲載します。

「しまくとぅば」と「うちなーぐち」 混在あるも課題は継承

しまくとぅばの日の記念行事として県文化協会は毎年9月に「しまくとぅば語やびら大会」を開催しており今年で23回を数える。県大会に向け市町村文化協会でも大会を開催し代表を選出している。南風原町でも先月末、小中学生がはつらつと童話や体験談を発表した。消滅の危機にある言語といわれながらも普及継承へ期待が繋げると安心した。
ところで大会後、関係者から大会のタイトルが当初から「南風原うちなーぐち大会」となっているが昨今の状況から、しまくとぅば大会に変えるべきではないかと意見を求められた。県条例は「しまくとぅばの日条例」だし行政施策も「しまくとぅば普及促進」だ。「うちなーぐち」と「しまくとぅば」が混在しており統一すべきでなないかという意見だろう。実はこの指摘は以前からあり、先月のしまくとぅば連絡協議会の総会でも会員の中から質問があった。去年他紙の論壇にも投稿があった。「しまくぅばとうちなーぐち」は違うのだと。しまくとぅばの普及促進というが、どの地域の言葉を普及するのかと?もっともな指摘である。普及活動の上で混乱を招かないため用語の概念を整理する必要があると思われるのでこの欄を借りて紹介したい。
一般的に「うちなーぐち」とは沖縄本島と周辺離党で話されている言葉を指す。「しまくとぅば」は県全域の各地域で話されている言葉を指す。市町村でも集落が異なれば少しずつ変化し宮古八重山与那国を含め集落の数ほど何百という「しまくとぅば」が存在する。これを総称して「しまくとぅば」と言い研究者は沖縄語、琉球諸語と呼ぶ。
そこで普及活動で「しまくとぅば」を教えるのか「うちな」ーぐち」を教えるかという課題だが、那覇市文化協会うちなーぐち部会では、将来沖縄の共通語になると予想される首里言葉で講座を行っている。しかしその他の言葉を普及する必要がないとは思わない。
言葉は魂、アイデンティティーの根本であり存在そのものである。それぞれの「しまくとぅば」は各地域や市町村単位で行うべきだろう。ちなみに平成18年に9月18日を「しまくとぅばの日」とする条例が提案された時、なぜ「うちなーぐちの日」としなかったのか、当時県に要請した沖縄県沖縄語普及協議会の関係者に聞いたところ、宮古八重山与那国は「うちなーぐち」ではないからということだった。言葉は魂だと先述したが先島の言語は沖縄語国頭語同様それぞれ独立言語と分類されており、先島人の精神的独立まで影響している。宮古八重山から本島に渡る際、「沖縄に行く」と表現するらしい。また自分達のことをウチナーンチュとも呼ばない。エーマンチュ、マークンチュだ。しまくとぅばの日を前に改めて言語の深淵を垣間見た思いがした。