今、阿麻和利が面白い!

今、阿麻和利が面白い!
那覇市文化協会15周年企画にトピアが制作協力
(OTV郷土劇場)誌上フォーラムを展開
阿麻和利が現代へ伝えるメッセージは何か

[企画趣旨]
那覇市文化協会が結成15周年になる。演劇部会では沖縄俳優協会と共催し、史劇「熱き日の積乱雲~護佐丸と阿麻和利の乱」の記念公演を打つ。
琉球史の戦国(群雄割拠)時代を代表する伝説の英雄「阿麻和利」を歴史・芸能文化の観点から再検証・再評価することが、フォーラムの趣旨である。なぜ今阿麻和利なのか?阿麻和利の人間的魅力とは何なのか?現代に生きる私たちへのメッセージがあるとするとそれは何だろう?それらの問も含めた新たな掘り起こしの可能性(扉)を開きたい。

すでにその答えの扉は、平成12年3月、勝連の中高校生たちが初めて勝連城跡で上演し、その後も県外を含め持続的に再演を続ける現代版組踊『肝高の阿麻和利』(脚本・嶋津与志、演出・平田大一)によって開かれているように見える。というのは、阿麻和利は、琉球王国の正史『球陽』や『中山世譜』に「徳義法なし」、「驕傲すでに極まり、常に弑簒(しいさん)の心あり」と記され、1719年に冊報使の前で初めて上演された玉城朝薫の『二童敵討』も、護佐丸を殺し、首里を滅ぼす野心を持った按司として登場する。
その阿麻和利像に疑問を呈したのが『肝高の阿麻和利』だったのである。「次代を担う地域の子供たちに勝連の偉人の生き方を一つの精神文化として受け継いでもらいたい」、という深い思いの中で従来の逆臣・逆賊と烙印を捺された阿麻和利を、民草の王としての真の姿を見つめ直したいと、勝連の住民は地域をあげて立ち上がったのである。
それは、演出家平田大一が、「地域の偉人に目を向けその歴史に想いを馳せることは、自分の足元を見つめることであり、ひいては自分自身を考える大切な作業ではないか」と述べているように、『肝高の阿麻和利』を上演し続けることが、一つの大きな地域おこし、文化教育の新たなベクトルの開発に他ならず、この間の経緯がそれを実証しているように思える。おそらくグローバル化=ローカル化の世界の潮流とも呼応するうねりだ。
デンマークの世界遺産の一つ「グロンボー城」で、毎夏、世界の演出家によって上演されるシェイクスピアの『ハムレット』を彷彿させる。

今回、那覇市文化協会15周年記念公演として上演される『護佐丸と阿麻和利』は、現代の観客にどのようなメッセージを舞台から送るのだろうか?舞台公演を楽しみにしながら、歴史家・田名真之、演出家・平田大一、組踊研究家・鈴木耕太、沖縄芝居役者・高安六郎と共に護佐丸や阿麻和利の生きた時代やその背景、また芸能・演劇における阿麻和利の魅力などについて誌上フォーラムでじっくり話しあう所存である。
(沖縄芸能史研究会副会長 与那覇晶子)

[実施要項]
芝居公演 / 熱き日の積乱雲(護佐丸と阿麻和利の乱)
と  き / 平成19年3月3日(土)午後6時
と こ ろ / 那覇市民会館
放  送 / 沖縄テレビ放送 郷土劇場(平成19年 月  日(木)午後3時)