まういふみ

まういふみ

 まぅい、伊是名の島くとぅばで魂のこと、本島では「まぶい」です。この「まぶい」は何かの拍子で人体から離脱することがあります。魂をなくした人は放心状態になり自意識がありません。何を隠そう、実はこの私も「まぅい」を落としたことがあるんです。
 小学校低学年の頃、馬の草刈に行くため明け方に村ずれで兄と共に馬に跨ったとたん、何かに怯えた馬が突然前足をバタつかせた後お尻を持ち上げたのです。その拍子に落馬、ぶちくん(気絶)してしまいました。気が付くと自宅の仏壇がある二番座に寝かされていました。そして直ちに親戚のばあさんに連れられ落馬した現場に行き「まぅいふみ・マブイグミ」をしました。「かまでーい 追ーてぃふーよー 追ーてぃふーよー」。ばあさんはヒラウコー(線香)を私の頭にかざしながら私の童名を繰り返し、その辺りで彷徨っているであろう魂を呼び戻したのです。お蔭で私は生気を取り戻し、お祝いに赤飯をいただきました。その赤飯の美味しかったこと、今でも忘れません。当時、我が家は極貧の水飲み百姓でイモが主食でしたから。
 この思い出話を綴ったのは何も郷愁に浸るのが本旨ではありません。実は最近の普天間飛行場の辺野古移設を巡る国のやり方は、何処かのお友達の国に怯えて落馬したのではないかと思ったからです。晋三ぐわーが乗馬が趣味かどうかはわかりません。あるいは、義偉(よしたけ)小(ぐゎー)のミスショットのゴルフボールが後頭部に当たったかも。今朝、首里城内の御嶽で、わが琉球のチフジンガナシー(聞得大君)が晋三小(ぐゎー)に「まうぅいふみ・マブイグミ」をしている夢で目が覚めました。慰霊の日は阿部首相が平和の礎を訪れてマブイグミをした後に、「ワッサイビタン」と恒久平和を祈ることを願ってやみません。決して悪霊(やなむん)を込めないようゆたさるぐとぅ うにげーさびら。ちなみに今年は戦後70年、ワンネー「艦砲ぬ喰ぇーぬくさー」やいびーん。ウートート アートート。 

2015年3月26日
DSC02253記事まういふみ 那覇市文化協会うちなーぐち部会
                         事務局長 名嘉山秀信